弱めのストレートパーマとは?

髪に大きなうねりがあるものの、強いクセではないお客様の場合、強いクセを持つ方からすると「気にならない程度」と思われるかもしれません。
しかし、実際にはうねりがあることで、思い通りにヘアセットができなかったり、湿気が多い日は髪が広がってまとまりにくいなど、悩みが生じることがあります。
髪をきれいなストレートに整えることで、毎朝のヘアセットが簡単になりますし、1日中まとまったスタイルをキープすることもできるようになります。
最近特によくお伺いするのが、「弱めのストレートパーマをかけたけれど、すぐに効果がなくなってしまった」というお客様の声です。
「弱めのストレート」といっても、その定義はサロンごとに異なります。
そのため、一概に「これが弱めのストレートです」とは言い切れません。
いわゆるコスメストレートや、当店で扱っている酸性縮毛矯正なども、いずれも「弱めのストレートパーマ」と言える場合があります。
一般的な強い縮毛矯正剤は、髪に大きなダメージを与えてしまいます。
特に、すでに傷んでいる髪や細い髪の場合は、髪が溶けてしまう恐れもあります。
そのため、こうしたトラブルを防ぐには、還元力が弱めの薬剤を選ぶことが大切です。
たとえば、細い髪やダメージのある髪でも使えるコスメ系や酸性領域の還元剤を用いることで、髪への負担を軽減することができると一般的に言われる事が多いです。
ただし、こうした薬剤はクセを伸ばす力がやや弱くなるため、縮毛矯正ほどしっかりとクセを伸ばせない場合が多いです。
ここからは少し専門的なお話になりますが、実は「強い薬剤=還元力が高い」とは限りません。
還元力を高めるには、薬剤の中に含まれる他の成分が深く関わっているのです。
事実、この成分こそが髪に大きな影響を与える原因といえるでしょう。
日本の薬事法では、還元剤の配合量に上限(○○%まで)が定められています。
そのため、還元力を高める目的でアルカリ剤などの添加物が加えられますが、実はこの添加物こそが髪にダメージを与える最大の要因なのです。
また、美容師が手に入れられるのは、こうした添加物を含む商材だけです。
ですから、このような背景を理解した上で商材を選ぶことが重要です。
もし、その点を考えずに選んでしまうと、「縮毛矯正はクセは伸びるけれど髪が傷みやすいから、弱めのストレートにしよう」といった単純な考え方しかできなくなってしまいます。
縮毛矯正に力を入れている美容師やサロンは、薬剤や商材の知識をしっかりと持ち、それらを理解したうえで選んでいます。
そのため、「弱めのストレート」と呼ばれる薬剤でも、髪質に応じてしっかりクセを伸ばせるのは、こうした知識と理解があるからこそです。
もしもその点を理解していないと、「弱めのストレートではクセが伸びない」といった単調な結論に至ってしまいがちです。
還元剤にはいくつかの種類がありますが、意外と見落とされがちなのは、「ベースとなる還元剤の力を高めている別の成分」がどのように働いているかという点です。
実は、こここそが最も重要だと言えます。 この点をしっかり理解してはじめて、「この髪質にはこの薬剤が最適」と判断できるようになります。
縮毛矯正の施術を何も考えずに行うと、ソフト・ミディアム・ハードという3段階で単純に強さを決めるだけの作業に終わってしまいます。
しかし、それでは本当にお客様に満足していただくことはできません。
薬剤そのものに頼るのではなく、薬剤をきちんと使いこなす技術がとても大切です。
一人でも多くのお客様にご満足いただけるよう、これからも技術向上に努めてまいります。
