酸性縮毛矯正を美しく仕上げるために大切なポイント。
酸性縮毛矯正をご希望のお客様のビフォーアフターのお写真をご紹介いたします。
今回は久しぶりの縮毛矯正ということで、髪の内部を確認すると、全体的に大きなうねりが見られました。
まずはしっかりと髪の状態を見極め、酸性縮毛矯正を施したことで、見た目の美しさやお手入れのしやすさが大きく向上いたしました。
縮毛矯正のリスクと注意点
縮毛矯正は美容室の施術の中でも、特にダメージリスクが高いメニューの一つです。
場合によっては、「ビビリ毛」と呼ばれる、髪がチリチリになり元に戻すことが難しい状態になるリスクもございます。
そのため、施術を行う際には細心の注意と慎重な対応が大切です。
また、縮毛矯正でお客様にご満足いただくためには、技術面でもさまざまなポイントを押さえる必要があります。
たとえば、髪質の見極めや、その髪質に合わせた薬剤選び、薬剤の反応の見極め、洗い流すタイミング、乾かし方、アイロンの温度や力加減など、施術の最初から最後まですべてが重要な工程となります。
縮毛矯正と「考え方」
そして、それ以上に大切なのは「考え方」だと考えています。
縮毛矯正は本質的に髪にある程度の負担(ダメージ)を与えてストレートヘアをつくる技術です。
髪を根本的に回復させるものではないため、「髪を傷めずに美しく見せる」施術ではない。という点をお伝えすることも大切だと考えています。
この考え方がないまま、「髪を回復させる技術」として縮毛矯正を提供してしまうと、誤解を招いてしまう場合がございます。
髪の構造とダメージの本質
縮毛矯正は髪の内部構造(骨組み)を再構築する施術ですが、この内部構造自体には個人ごとに限界点があり、それ以上の材料を補充することは難しいとされています。
髪は主にたんぱく質でできています。
傷んだ髪は、例えるなら焦げたお肉と同様で、一度焦げたお肉を元の生の状態に戻すことが難しいのと同じように、髪もダメージを受けると元通りには戻りません。
髪が傷む原因には、ヘアカラーや日々のアイロン・ドライヤーによる熱など、日常生活の中にもさまざまな要因があります。
私たち美容師は、そのうえで縮毛矯正というリスクを伴う技術を行う際、できるだけダメージを抑える工夫やご提案をすることを大切にしています。
理想の仕上がりと正直なご説明
お客様も、ヘアカラーや縮毛矯正のどちらも理想の仕上がりを望んでいらっしゃると思います。
私たち美容師も、そのご希望にできる限りお応えしたいと考えています。
しかし、傷んでしまった髪は元の状態に戻ることがないため、ときには事実を率直にお伝えすることも、当店では大切にしています。
もちろん、私たちの考えが必ずしも正しいとは限りませんし、ご納得いただけない場合もあるかもしれません。
ただし、この基本的な考え方がぶれてしまうと、髪へのデメリットを十分にご説明できなかったり、技術の向上にも悪い影響が出てしまうと考えています。
縮毛矯正とお客様への想い
本当にくせ毛でお悩みのお客様は、縮毛矯正を何年も繰り返されることが多いです。
1~2回のみで終わる施術ではありません。
縮毛矯正は、お客様の人生に長く寄り添う技術です。
この大切な技術を提供できるのは、美容師免許を持った美容師です。
だからこそ、縮毛矯正のデメリットも含めた正しい情報をお伝えすることが、正しい「考え方」につながる第一歩だと私たちは思っております。
美容師としての姿勢
美容業界では、さまざまな情報が日々飛び交っています。
現在は、チャットGPTのようなツールの普及により、誰でも簡単に情報を手に入れられる時代です。
しかし、その一方で、間違った情報が広まってしまうことも少なくありません。
だからこそ、私たち美容師は、広く知られている情報であっても、プロとしてしっかりと自分の考えを持ち、お客様に誠実に伝えることがこれまで以上に大切だと感じています。
この姿勢を大切にしながら、一人一人のお客様に真剣に向き合い、技術を磨き続けることで、自分たちの課題や改善点も見えてきます。
そして、その積み重ねがさらなる技術向上につながると考えています。