縮毛矯正をした髪には、シャンプー選び以上に洗い方が大切です。
実際にご来店いただいたお客様からは、「おすすめのシャンプーはありますか?」というご質問をよくいただきます。
当店では、現在商品の販売は行っておりません。
その理由としましては、お客様お一人おひとりにとって絶対にこれが良いと自信を持っておすすめできるシャンプーが現時点では見つかっていないためです。
したがって、オススメのシャンプーについては、極端な話にはなりますが、どの商品をお選びいただいても大きな問題はございませんので、ご安心ください。
シャンプー選びより洗い方の方が大切です。
髪の毛は「死滅細胞」と呼ばれ、生きている細胞とは異なり、自己修復する力がありません。
そのため、どれほど最新の化学成分を配合した高品質なシャンプーやトリートメントを使っても、髪を根本から元通りに回復させるのは難しいとされています。
たとえば、高級なスーツやダウンジャケットなど大切な衣類も、どんなに優れた洗剤を使っても、強くもみ洗いしたり雑に扱ったりすれば、新品のような状態に戻すことはできません。
これは髪のお手入れにも同じことが言えます。
どんなに丁寧にケアをしていても、髪は少しずつ傷んでしまうものです。
だからこそ、その傷みをできるだけ抑えるための洗い方がとても大切になります。
このような理由から、髪にとって高品質なシャンプーを選ぶことはもちろん重要ですが、それ以上に洗髪の方法を見直すことが、健康的な髪を保つための第一歩となります。
ご自身の髪を大切に思う気持ちを大事にしながら、無理のない範囲で日々のお手入れ方法を見直していただけますと幸いです。
具体的には、どのような方法で髪を洗うのがよいのか。
簡単に言えば、「ゴシゴシと泡立てて洗うことはしない」ということです。
シャンプーの起源について詳しく説明すると話がそれてしまうため、ここでは省略します。
シャンプーの主な目的は、「頭皮の余分な皮脂や汚れ、フケを洗い流して清潔に保つこと」です。
つまり、髪ではなく頭皮をきれいにすることが中心となります。
もちろん、髪についた頭皮の皮脂汚れを落とす効果もありますが、基本的には髪のダメージケアを主な目的としているわけではありません。
現代の日本では、毎日のようにお風呂に入ることができる環境が整っており、とても衛生的です。
そのため、髪全体にたっぷりと泡を立てて洗わなくても、頭皮をもみ洗いするだけで十分に清潔に保つことができます。
特に縮毛矯正歴のある髪は、髪内部の栄養素が流失しやすい傾向があります。
縮毛矯正やカラーなど、何かしらの薬剤施術を施した髪は、髪内部の結合が変形してしまっているため、どうしてもダメージを受けやすい状態になっていると言えます。
そのためシャンプーで強くもみ洗いするだけで栄養素の流失が多くなると言われています。
そのため、シャンプーは頭皮を中心にお使いいただき、毛先など髪全体にはコンディショナーやトリートメントをなじませてから、やさしくすすいでいただくだけでも、髪の汚れはしっかりと落とすことができます。
ただし、ハードスプレーなど強めのスタイリング剤をお使いの場合は、必要に応じてシャンプーで丁寧に洗っていただくと、より安心かと思います。
最近は、泡立たないクリームタイプのシャンプーも登場しています。そのような商品を使ってみるのも良いかもしれません。
成分については、特に気にする必要はありません。
縮毛矯正やヘアカラー剤に含まれる成分は、シャンプーに使われている成分と比べて、はるかに危険性の高いものが配合されています。
しかし、これらの製品もできるだけ安全に使えるよう、薬事法などさまざまな法律や基準に基づいて「配合量」が厳しく管理されています。
シャンプーに含まれる成分についても、細かく見ていくと「良くない」とされるものが含まれている場合があります。
ただし、それらが実際に悪影響を及ぼすほどの量で配合されているかどうかは、また別の問題です。
さらに、こうした成分の配合量を一般の人が調べることは基本的にできませんが、製品開発は厳格な法律に従って製造されています。
ドラッグストアなどでよく見かけるシャンプーは、大量生産が必要なため、品質管理が徹底された大規模な工場で作られていることがほとんどです。
企業ごとにさまざまな戦略があるため、一概に良し悪しを決めることはできません。
なので成分表示だけを見て、その商品が良いか悪いかを判断するのは、一般の人には難しいと言えます。
大切なのは、どのように洗うかという点です。
意外と見落としやすいポイントですが、この部分を意識するだけで、今お使いのシャンプーやトリートメントでも十分にケアすることができます。
もちろん、シャンプー選びもとても大切ですが、このポイントとあわせて考えながらケアしていただけると嬉しいです。